理学療法士は国家資格で安定した職業として人気の医療職です。
医療職の中では年収が低めだと聞きますが、実際にはどのくらい給料がもらえるのか気になりませんか?
・理学療法士を目指したいけれど、実際の給料はいくら?
・他の理学療法士はどのくらいの給料をもらってるの?
・年収を上げるためにはどうしたら良い?
この記事では、理学療法士のリアルな年収を筆者の体験を交えてお伝えします。
また理学療法士の将来性を踏まえた年収アップの方法も解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
理学療法士の年収
理学療法士の年収を経験年数、年齢別でみていきます。
【経験年数別】理学療法士の年収
経験年数 | 月収 | 賞与 | 年収 |
0年 | 24.8万円 | 7.7万円 | 306万円 |
1~4年 | 25.4万円 | 63.8万円 | 368.7万円 |
5~9年 | 27.7万円 | 68.7万円 | 401.6万円 |
10~14年 | 30.6万円 | 79.7万円 | 447.3万円 |
15年以上 | 33.8万円 | 95.2万円 | 501.4万円 |
この値から所得税・雇用保険が引かれ、初任給の手取り額は24万円といったところでしょう。
2年目以降は所得税・住民税・社会保険料が引かれるため、手取り額はこの値の75~85%となります。
全体的には経験年数に比例して、年収も上がっていく傾向にあります。
【年齢階層別】理学療法士の年収
年齢 | 月収 | 賞与 | 年収 |
20~24歳 | 25.1万円 | 39.4万円 | 341.5万円 |
25~29歳 | 27.0万円 | 62.8万円 | 387.1万円 |
30~34歳 | 29.1万円 | 71.1万円 | 420.7万円 |
35~39歳 | 31.6万円 | 78.6万円 | 457.9万円 |
40~44歳 | 32.4万円 | 81.4万円 | 470.6万円 |
45~49歳 | 34.3万円 | 92.4万円 | 505万円 |
50~54歳 | 34.2万円 | 86.2万円 | 497.1万円 |
55~59歳 | 39.9万円 | 110万円 | 589.2万円 |
60~64歳 | 35.7万円 | 95.5万円 | 524万円 |
65~69歳 | 19.9万円 | 67.6万円 | 307.1万円 |
年齢が上がるにつれて年収も上がり、55~60歳でピークを迎えます。
しかし、50歳以上の理学療法士が働き始めたときは、まだ理学療法士が少なかった時代です。
1990年代以降は養成校が急増し、理学療法士が爆発的に増えました。
現在も増え続けており、2040年には理学療法士・作業療法士の供給数は需要の1.5倍になるという予測がされています。
(出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需要推計について」,参照2025-1-31)
個人的な見解ですが、いま20~30代の理学療法士が55~60歳になったときに、この給与よりも平均は低くなるのではないかと思います。

前に勤めていた民間病院では、45歳以上の理学療法士は、それ以下の世代と違う給与体系でかなりもらっていると聞いたことがあります。
スカウトで入職したリハビリ科の科長はさらにもらっていると…!
理学療法士は勤務地によって年収の差がある
ここまで厚生労働省のデータから理学療法士の年収をみてきました。
実際に理学療法士として働いている身からすると、
「本当にこんなにもらっている?」
といった感想です。
理学療法士が働く場所は医療・介護分野以外にも、一般企業や公務員、スポーツ施設など様々です。
そのため勤務地によって年収の差があり、一部の高収入の値に引っ張られて平均値が上がってしまうことが考えられます。
データのばらつきが多い場合には平均値ではなく、中央値が一般的な値といえます。
平均値…全てのデータを足して、データの数で割った値
中央値…データを大きさの順に並べた時に中央に位置する値
それでは、中央値で理学療法士の年収をみていきましょう。
中央値でみる理学療法士の年収
性別 | 年収中央値 |
全体 | 351万円 |
男性 | 390万円 |
女性 | 312万円 |
全体の年収中央値は351万円でした。
男性は390万円、女性は312万円となっています。
女性の方が低めの数値となっているのは、非正規雇用の割合が多い影響が考えられます。
実際に理学療法士として働いている方の多くは、この年収に近い方が多いのではないでしょうか。

私が民間病院で勤務していた時は、年収が約350万円でした…。
理学療法士の将来性は?
理学療法士は毎年約1万人増えており、2040年には供給数が1.5倍になるといわれています。
そのため理学療法士は飽和状態になってしまうのではないかと不安視されています。
2040年には団塊ジュニア世代が65歳を迎え、高齢者の割合が約35%に達するとされています。
労働者人口が減るなかで健康寿命を延ばすこと、医療費の削減が課題となっています。
理学療法士はどちらの問題に対しても介護予防・健康維持といった予防分野において、まだまだ活躍できる職種といえます。
2040年以降は高齢者の数も減少に向かい、需要数が減る可能性は大いにあります。
しかし理学療法士の需要がなくなるということはないでしょう。
今後は新しい職域の拡大や取り組みにアンテナを張っておくことや、理学療法士として何か強みを持っていることが重要となると考えられます。
理学療法士の数が増えていく中で、年収を上げる方法3つ

1.管理職のポジションを目指す
理学療法士は昇給はありますが、微々たるものです。
管理職につくと役職手当が支給されるため、年収のアップが見込めます。
管理職となると、普段の理学療法士としてのスキル以外に業務管理、コミュニケーションスキル、マネジメントスキルなどが必要となります。
今働いている施設内で管理職のポジションを目指すことが難しい場合には、管理職の募集求人を探して応募してみるのも良いでしょう。
2.専門性を高める
専門性を高めることで、自分の理学療法士としての強みを押しだせます。
理学療法士協会の認定療法士制度があるので、自分の興味のある分野に特化して認定療法士の資格を取ることも良いでしょう。
現段階では認定療法士資格に対して手当がつく、給料が高くなるということありません。
転職には強いアピールポイントとなります!
3.年収の高い施設へ転職する
一番早く年収を上げる方法かと思います。
前述した通り、理学療法士は勤務地によって年収の差があります。
医療・介護の分野でいうと訪問看護・訪問リハビリの分野は相場より年収が高いのでオススメです。
訪問中の急変やトラブルへの対応力が求められるので、理学療法士としての経験年数が必要となることもあります。
前述した年収を参考に、高年収の転職先を見つけましょう。
まとめ
今回は理学療法士の収入について解説しました。
リアルな年収は予想よりも低かったと感じる方もいるかもしれません。
しかし管理職につく、転職をすることによって大きく年収アップが見込めます。
理学療法士の供給数がどんどん増えていくので、自分の今後のライフプランを見据えて早めに行動していくのがベストです。
年収アップしたいと悩んでいる方は、ぜひ検討してみてください。
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